/×××の絶望感は異常

いまホルダーについている痩せ細ったロールが、そのトイレに残された最後のトイレットペーパーであることに気がついたときの絶望感は異常。

カップラーメンを食べるため電気ポットのところに持っていったら、コンセントが抜けて水温が45℃くらいになっていたときの絶望感は異常。

ホットミルクにバニラエッセンスを一滴、とやったつもりが、手にしているのがラー油瓶だと気がついた瞬間の絶望感は異常。

ベランダ用のビニールサンダルを履いたら、中に水がたまっていたときの絶望感は異常。

調べものがあってGoogle Maps / Google Earthで航空写真を見たら、該当地域に雲がかかっていたときの絶望感は異常。

どら焼きの包装紙を剥がしたら、皮表面のすべすべ部まで一緒にもっていかれたときの絶望感は異常。

持ち合わせがなくて引き出しにいったATMで、預金残高が3桁なのが発覚したときの絶望感は異常。

あちこち探しまわって1本だけ見つけた修正ペンが、茶封筒用だったときの絶望感は異常。

本の表紙に写真だけ載っていたおいしそうな菓子の正体が、菓子そっくりの石鹸だと判明したときの絶望感は異常。

カップうどんが食べたくて買いに行ったのに、間違えてラーメンを買ってきてしまったときの絶望感は異常。

鍋ものの残りを雑炊にするためにとっておいたら、帰宅後空の鍋が流しに放置されていて
「ゴハン入れて食べたよ。おいしかったー！」
とさわやかに言い放たれたときのやり場のない怒りとか絶望感とかその他いろいろは異常。

肉まんを買いに行ったのに、湯気で表面がぺっしょりしたのしか残っていなかったときの絶望感は異常。

カレー気分がほどよく盛り上がって具材を用意してしまってから、肝心のルウだけないことに気がついたときの絶望感は異常。

カレーに合わせるおかずを探して台所をあさったら、パスタソースとふりかけとお茶漬けしか出てこなかったときの絶望感は異常。

入浴中に蚊に遭遇したときの絶望感は異常。

電話が終わって戻ってきたら、ラーメンがのびる以前にすっきりさっぱり食われていた時の絶望感も異常。

ラーメンの出来上がりを待っている間に、話の長い親戚からの電話がかかってきた時の絶望感は異常。

カップラーメンにお湯を入れてから、箸もフォークもないのに気がついたときの絶望感は異常。