屋敷をあとにしてから一時間もたたないうちに、ふさぎこんでいた気持ちが変化した。屋敷でもらった長靴を履いて歩いているうちに、なぜかはわからなかったが、かつて若かったときも、老いた今も、自分の人生は無駄ではなかったのだという認識に突然見舞われた。そして、この旅は死に向かう旅路ではないと、不意に悟ったのである。
ウィリアム・トレヴァー著、栩木伸明訳「聖母の贈り物」『聖母の贈り物』国書刊行会、2007、p368。
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信田 男ほど人の話聞いてもらって当然と思ってる人種っていないよね。
上野 そう。自尊心のお守りさえやってもらえば、男はどんな女でもいいのよ。
上野千鶴子、信田さよ子、北原みのり『毒婦たち』p137
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上野 以前、オウム真理教の女性信者が「上野千鶴子も読みました、小倉千加子も読みました、でもフェミニズムは私を救ってくれなかった」と発言したそうです。あったりまえだろう、フェミニズムは宗教じゃないんだ!
上野千鶴子、信田さよ子、北原みのり『毒婦たち』p31
こんな感じで、いつも通り、千鶴子たんが会ってもいない人に対して適当なことを言う本です。「あひゃひゃひゃ」という笑いが止まりません。
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この人たちはすぐに乾いてしまい、自分の袖が濡れてしまったことなど思い出しもしますまい。帝だけが、心にいささか海の苦みをとどめるでしょうが。この人びとは画のなかで死ぬようにはできていないのです。
マルグリット・ユルスナール「老絵師の行方」
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義務感と人情から毎年母に会うために帰郷するのは、つまるところ母親がかけがえのない存在だからである。しかし彼は、母を心から気にかけたことは一度もなかった。
ウィリアム・トレヴァー「エルサレムに死す」『聖母の贈り物』
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羽生結弦選手の関係者にゲイが多いから、彼も同性愛に染まってるにちがいない、という発言をネット上で何度か目にしたけど、それが本当なら、異性愛者に囲まれて暮らしてる私も、そろそろ異性愛者に転向してもいい頃よねっ!
バイセクシュアルの作家・森奈津子先生のツイートより。
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写真2・6 サバクトビバッタの防御行動.(A)茶色い液体を口から吐き出し,(B)すかさず志村けんの代名詞「アイーン」をして口をぬぐって,(C)前脚の先端に液体を付着させたら、(D)前脚を振り回して自身を捕らえている敵に塗ったくる.人に対して精神的ダメージを与えるのに有効.
前野 ウルド 浩太郎『孤独なバッタが群れるとき サバクトビバッタの相変異と大発生』東海大学出版会、2012年、p36
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「どれ…よっこら聖徳太子…」
「またそのような…飛鳥時代のオヤジギャグを…」
岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」12巻p176
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天が宇宙飛行士だらけになり、主がその座を追われた今、神はいったいどこにいるのだろう? わたしは神をなつかしむ。
ジャネット・ウィンターソン「オレンジだけが果物じゃない」
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青い舟で海に漕ぎ出して、流木を拾うみたいにして物語を集めた。
ジャネット・ウィンターソン「灯台守の話」
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わが不毛の岩、月のことをそんなふうに呼んで、自分はあそこでなら幸せになれるかもしれない、あの太陽の蒼ざめた寄宿人でならーーそう言っていた
ジャネット・ウィンターソン「灯台守の話」
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過去とは過ぎ去ったものだから、かつては変幻自在であったのに、今では変更自由なものでしかない。
ジャネット・ウィンターソン著、岸本佐知子訳「オレンジだけが果物じゃない」p154
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立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
吉野弘「祝婚歌」
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要するに、ケルト人は最初の突撃において無敵である。しかるに次の場面においては、装甲が重いのと、本性に由来する無分別によって逆上するため、容易に討取ることができる。
アンナ・コムネナ「アレクシウス伝」
アンナww 容赦ないなwww
このころの西欧人騎士層のオバカっぷりが非常におもしろい。
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これからどんなことがあろうと、彼は過去を精算したのだから、未払いの請求書のように過去を持ち歩く必要はないのだ。
『ファティマの幸運』
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「あなたはまさしく幸運にめぐりあったのよ」フランスの旧植民地で今もアフリカ人に教えられている、美しい十九世紀のフランス語だった。
『ファティマの幸運』
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merongree@merongree
安部公房は天才的に何の外国語も分からず、ドナルドキーン氏と外国へ行くとどうみてもインテリなので英語で喋りかけられ、「いやこのひと英語分かんないんだ」と横から言っても「彼の顔を見ろよ、分かってるじゃないか」と言われるほど雰囲気がインテリだった #文豪の逸話下さい下さい是非下さい
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自分は、一部のGID医療は貧困ビジネスだと思っている。
①お金がなく、②周囲の理解や支援が得にくく、③メンタルヘルスの状態が悪いほど、質の悪い医療ビジネスのターゲットとされてしまうのではないか。 そして悲しいことに、これらのビジネスの「犠牲」にならないためには、当事者が「自衛」をしなくてはいけない。医療にまつわるリテラシーを身につけることと、生活丸ごとからの視点で自分のQOLについて考えていくことの両面から、この問題について考えたい。
- - 世間一般的にはGIDには、「専門家」が存在することになっている。
その「専門家」とはジェンダー…[全文を見る]
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昭和二十六年頃、陽の当たらぬ広いベランダで一人三輪車をこぎながら、三歳の私はつくづく嘆息をついた。
「ああ!!ぼくは一体いつまでこうして三輪車をこいでなくちゃならないんだろう!」
堀越千秋「絵に描けないスペイン」幻戯書房、2008年、202頁。
いや、この人文章うっまいわ~。そこらへんの作家なんかめじゃないような巧さ、可笑しさだわー。
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勧君金屈巵 コノサカズキを受ケテクレ
満酌不須辞 ドウゾナミナミツガセテオクレ
花発多風雨 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
人生足別離 「サヨナラ」ダケガ人生ダ
于武陵「勧酒」 井伏鱒二訳