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/辞書のことを語る

学校文法は生きた化石

新しい国語辞典を買った。旺文社『標準国語辞典』2020年第八版(その23年特装版)。というのは同辞典の1973年新訂版(その77年第21刷)がたまたまうちにあったからで、他に理由はない。

この巻末附録にある「国文法の解説」、中学生向けの辞書なのでいわゆる学校文法そのままなのだと思うけど、この半世紀近い間にほとんど変わっていない。これ基本は橋本進吉やらが1930年代に作ったものがもとになっているので、やがて100年になんなんとしている。生きた化石のようで。

日本語文法関係の論文を漁っていると、なかなか熱い分野だという感じを受けるんだけど(逆に言えば標準的な文法体系が未だ確立されていないということでもある)、それが教育に落ちていかないとなれば、そりゃ国語の授業ってつまらないだろうね、と。

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のことを語る

金容雲『韓国人と日本人』

東京生まれの韓国人数学者である金容雲氏が日本語で書いたもの。1983年、サイマル出版会刊。

日韓の文化、価値観や倫理観の差異を、いろいろな歴史的な実例を挙げながら指摘し、双方に長短があることを論じる。博学! 共通の基層文化を持っていても、自然的環境に規制される歴史的経験の違いによって、独自性が形成されてくるとうことは、私も常々考えていることで、分かりやすく学ぶことが多いです。

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/歴史のことを語る

熊野聰『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』(再読)


「経済」とはなにかというと、「人が生きるために必要と感じる物を獲得するための具体的な活動」であると言うことができると思います。生きるために必要なものを獲得する行為は是認されざるをえず、またそれを妨げる行為は否定されることになるので、そこから善悪を判断する倫理観も規定されてきます。経済の基礎は食料であって、農耕と遊牧とでは経済が大きく異なり、したがって倫理観も違うことになります。農耕的社会と騎馬民族の間の衝突や征服といった歴史的事件も起きるわけです。

そんなことで、「何が…[全文を見る]