休息、休息と富というのか__そういうもののありがたさが分るのは不惑を過ぎてからだな。しかもだ、不惑のあとに、人生が半分残っとる。思うだに胸キュンじゃ。きみ、若いひとはそのことを肝に銘じとかなきゃいかん、そうすりゃ人生最悪のミスはたいてい避けられる。二十歳の人間がみんな、人生の半分は不惑を過ぎてからだちゅうことを自覚してくれればだな……。 (p.191、イーヴリン・ウォー著『大転落』)