『アウシュヴィッツの音楽隊』シモン・ラックス/ルネ・クーディー(著) 大久保喬樹(訳) 音楽之友社
序章と17章「この日も他の日と変わらなかった」がすべてのような気がする。『MOUSE』を思い出してしかたがなかった。
生き延びるには、モラルや人間性を捨て去ること、ナチの機関のひとつに組み込まれること、数字の扱いに慣れること、だ。著者は音楽隊隊員になることで、ナチの機関の一つに組み込まれた。『ヒトラーの贋札』の主人公たちと同様に。
身体感覚に訴えるものは、すべてプロパガンダに利用できる。「快」の感覚に人は容易にだまされる。
あと、12章「アンドレとの一夜」で、「なぜ生き延びるか」の答のひとつをもらった。
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