本や映画に出てくる食べ物ってすごく印象に残って、下手するとお話よりどんな食べ物が出てきたかのほうが覚えてたりする。少女小説は食べ物てんこ盛りで、小公女も若草物語も赤毛のアンも美味しそうなものと(当時のわたしには)目新しいものばっかりだった。
ディストピアものの食べ物もいろいろだなあ、と、同居人と映画を見終わったあと話してた。
錠剤とかカプセルとか携帯食みたいな、材料がわからない無機質な見た目のものが多いんかな。材料がヒトとかって定番なんだけど、わたし個人が過去一番悪かったのは視肉。
思い出したけど、笙野頼子のやつで、ネットで24時間配信されながら幽閉されてる作家に出される食事がすごかったな。かなり昔は「少女マンガにはちゃんと食べられそうな食べ物なんて出てこない」って揶揄されてたと記憶してるんだけど、ここで出てくる食べ物がそういうやつ。
きらきらしてふわふわしてフリルでリボンでバラでピンクと白とパステルとネオンカラーな甘甘なもので、いわゆるインスタばえするスイーツのタワーみたいなの。
でもこっちのは見た目完璧だけど、ほんとにそれだけで、味や構成物は食べ物と認識できない代物で、さらに精神安定剤とか抗不安薬とかその他もろもろぶちこまれてたりする「食べ物」。ネット配信を見てる人には届かない。
見た目と表面がすべての世界。
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