[リブロ]
○もともとは辻井喬・堤清二さんが安部公房さんの「燃え尽きた地図」を西武百貨店の書籍売り場で買おうとして見つけられず、地理関係の場所に置いてあったのを発見して「これはまずい」ということで外部から人を招聘して独立させたのが池袋のリブロでした。叙情と闘争っていう辻井さんの本に書いてある。
○ユリイカという本の辻井喬追悼の本にリブロにいた人のインタビューがあるのだけど、
・基本は百貨店と書店は返品自由で商品陳列業だから、似たようなものである
・でも百貨店のほうで問屋任せにしない自主編集の売り場があってリブロでも自主編集のようにブックフェアをやるようになった
・リブロで本を買うことによって買った人が賢く思えるような仕組みにはどうすべきか、他の店ではなくリブロにどうやってきてもらえるか、を考えていた
・書籍売場には美術と人文と文学という三悪ジャンルがあってマイナー志向だし、担当者がどんどん視野狭窄になってゆくのでマーケットからずれてきちまう。短気にドバっと売れる学習参考書で売り上げを作ってごまかしておきながら三悪ジャンルを支えてマイナー志向のお客さんを捕まえつつやっていた
・リブロが西武百貨店と親子関係だったころは来店動機につながるような販売促進の機能を期待されてたので他の書店ができないようなレイアウトや内装が許されていた(いまはリブロと西武は資本的つながりがない)
ということを述べていた
○おそらく池袋リブロから三省堂へのスイッチは、リブロにやらせるより三省堂のほうが来店動機になる・販促につながる、という冷徹な判断だと思われる。なんだろ、、学参類を売りながら三悪ジャンルを支えることがリブロではできなくなってきてて、かといってリブロは他店と異なる生き方をしてきたのでいまさら三悪ジャンルを止めるわけにもいかないのではないか。リブロが金喰い虫ってんじゃなくておそらく、人文・美術・文学が金喰い虫なのであって、リブロ以外にも共通する悩みなんじゃないのかなあ、と。
自分(id:gustav5)のことを語る
