[マニアックな話]
野辺山は八ヶ岳はともかく天文台を堪能してきました

直径45メートルのアンテナを持つでかい電波望遠鏡です。電波望遠鏡はなにかっていうと、可視ではとらえれられない微弱な電波を発するガス等(物質ごとに周波数が異なる周波数の電波を出しています)をとらえることが出来ます。電波望遠鏡としては世界最大級の施設で、わりと有名なのは毎秒1000キロで高速回転するガスの円盤が存在することを観測によって突き止めていてブラックホールが存在することの手がかりとなっています。いまはいくつかの機関と連携して生まれたての星の多い天の川のあたりの(星になる前の)冷たいガスからなる分子雲の分布を観測しよう(≒将来的に星の誕生のメカニズムを研究に資する)、というプロジェクトが進んでいます。超高感度の望遠鏡ですが残念ながら解像度はよくなくて・全体像をとらえるのは得意ですが細かいところは苦手であったり。でもって夏は湿気が多く、微弱な電波が水蒸気に吸収されて衰減するので観測していません。ゆえに上を向いています。

直径10メートルのアンテナを持つ電波望遠鏡を6個つないで最大直径600メートルの電波望遠鏡に匹敵する観測能力を持つミリ波干渉計というものです。ざっくり書くと天体のえらい細かい観測は大得意ですが全体像をとらえるのは苦手です。いまは南米に新しい望遠鏡ができたので10年前に1台を除き現役を引退しています。1台だけSPART望遠鏡というものに変え大阪府立大学が火星や金星における太陽の活動の影響などを調査しています。簡単に説明できるかどうかわからないのですが念のためチャレンジすると、太陽の黒点ってきいたことがあるかとおもいますが黒点は太陽内部の磁場が太陽表面にまで出てくる部分で、そこで磁場のエネルギーが蓄積され突発的にエネルギーが解放される現象である太陽フレアってのがおきます。そのときに電波や電子や陽子などの電気をおびた素粒子が飛び出してきちまい、それらの素粒子は地球に少なくとも2日後までに飛んできちまいます(北極圏や南極圏でオーロラがきれいになったりもするのですが)。で、磁気嵐というのですが猛烈に強いのがまれに来て北極圏や南極圏以外でも通信ケーブルや送電設備がやられたりします。でも地球は磁場があるのでそれら太陽の発するそれらの厄介な影響は限定的です。しかし金星や火星は磁場がない・大気が薄いのでもろに影響を受けます。火星や金星を観測することによって磁気嵐を筆頭に太陽活動の副作用に関して地球ではわからない知見を得ることができるのではと期待されています。

ちっちゃいアンテナが並んでるのがわかるかと思いますが名古屋大学管理の電波ヘリオグラフという太陽観測の電波望遠鏡で、広大な敷地内にT字に84台ほど設置されてます。太陽の表面の電波状況を画像というか映像として記録し太陽の表面の観測を行います。野辺山での観測資料などを含めて5年くらい前から太陽の北半分と南半分では同期してないことがいまわかっています。およそ11年周期で黒点が増えたりなどの活動極大期があるとされてるのですが、北半分より遅れて南半分は極大期となり、いまのところ太陽の北半分は黒点が緩やかに減少しているのに対し南半分は急速に減少して既に黒点のない日も存在し、っていう状態が続いています。20年くらい前の状況とは状況が異なってきていて、今後も継続的に観測が必要っていう結論になるのですが。
知ってたとしての実生活の役には立たないのですが知識として知ってることがここで解明されたのか、と思うと、ちょっと感慨深かったです。
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