明日香村の伝飛鳥板蓋宮の西横に苑池遺構ってのがあって、飛鳥時代にそこに池があり池は地下水脈とつながってて洪水にならぬよう調整をしてたのではないかとか、池のほとりに建物があって天皇のみ入れるような場所ではなかったのかとか、十数年かけて全体像がおぼろげながら見えてきました。でもって苑池遺構を飛鳥時代の姿に復元して公園にしようってのと、埋め戻すべき、っていうのがあって、結論からいうと奈良県は公園にしないで埋め戻しました。遺跡とか文化財というのはそこに至るまでの情報が詰まっててそれを現時点で改変することは後世のために「やってはいけない」ことだから妥当です。
地域振興の観点からすれば文化財をつかって何かをするとか観光の目玉になるようなものをってのはこれまたわからないでもないけど鉄則としての「現状維持」はどこの自治体の学芸員の人も譲れないわけで、水や火をつかわせないその姿勢はぜったい間違ってないと思う。どこかの大臣の「学芸員ががん」ってのは、たぶん文化財の現状維持保存の原則とか理解してないし周囲もレクチャーしなかったのかなあ、と。
税収が欲しい中でお金になることをするのは錦の御旗になりかねいないけど、お金儲けすることが文化財の存在意義ではないわけで、撤回したとはいえなんだか変な人が大臣になってるのだなあという怖さがちょっとあった。
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