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自分(id:gustav5)のことを語る

【島原角屋】

島原に角屋という揚屋さんが残っています。いわゆる置屋さんから太夫さんや芸妓さんを呼んで、宴会を開く場所です。250年くらい前に現在の建物となったのですが西本願寺の西という不便な立地が幸いし蛤御門の変などにも影響をうけずに焼け残らずに済みました。江戸期の当主が俳人であったために与謝蕪村の描いた襖絵なんてのが残ってます。以前、一階だけ見学したことがあったのですが2階も公開してる時期に行けたので行ってきました。
9部屋くらいあるのですが一つとして同じ意匠の部屋はなく鍵隠しや障子、襖絵、天井などすべてにおいてちょっと凝った作りになっています。御簾の間なら御簾と御簾の絵があり、扇の間ならそこを訪れた人に扇に描いてもらった絵や詠んでもらった句などが扇に書いてあってべたべたはってあったり、

網代の間なら網代天井になっていたり、ってな具合。壮大な酔狂が詰まっている素敵と狂気が併存している建築です。ただしろうそくの煤でかなり黒ずんでいる部屋が多いです。
青貝の間というのがあって、一面の黒壁に青貝の螺鈿が組み込まれてて(人によっては異様ととらえられるかも)そこはちょっと強烈でした。夜に行灯の明かりでそこで呑んだら面白そうではあるのですが。で、仕上げた左官の名前もあって誰が作ったかは分かってるのだけどどのようにして作り上げたかがいまとなってはわからないのだとか。江戸時代に平成の技術はおっついてないわけっす。
左官仕事で興味深かったのは扇の間ということろの壁は青で、京都には九条土というのがあったらしく、それをつかうと壁が青くなるのだそうで。なんかモダンというかあんまり見ない壁の色だったのでちょっと印象的でした。