通路を塞いでいる人がいて、「すみません」と声をかけてもどいてくれなくて、わずかな隙間に体をねじこんで無理矢理通り過ぎる。相手はその間、私など存在しないかのように、一切こちらに関心をはらわない。傍らにいる人も注意を促しもしない。
前を歩く人に私の目の前でポイ捨てをされると、どうにもいたたまれない気持ちになる。私はそれを拾って、ゴミ箱を探して捨てればいいのだろうか。
このところやたらとそんな人に出くわして、そのたびに少しずつ、磨り減っていく。
電車内のお化粧も電話も音漏れも、それ自体をさほど不快には思わないけれど、他人を意識せず自分の世界に入り込んでいる様が怖い、と思う。
しまのことを語る
