id:usaurara は
うさのことを語る


----- JACK (2) ------ 

誰も来ない原っぱでジャックが寝っころがっているとカラスがやってきました。
「やい、ジャック。この、なんだかへんな子!」
「なんだって?」
「村の大人がみんな言ってるよ。なんだかへんな子!なんだかへんな子!」
ジャックはずうっと長いこと、鳥だけが友達でした。
だから誰も来なくなっても「みんな忙しいのかな」と平気でいたのです。
でも何故かしらそれを聞いたとたんに、膝を抱えこんでしまいました。
「なんだかへん」と言われたら自分も「なんだかへん」な気持ちです。
なんだかへんな気持ちをなんとかしたくて考えてみるのですが
やっぱり「なんだか」だけじゃどうしようもありません。
ジャックは膝に顔を埋め、そのままじいっと地面を見つめていました。
その目から小さな雫がひとつこぼれそうになったとき、空から何かがぽとんと落ちました。
どんぐりです。
しばらくするとまたぽとんと野葡萄が落ちました。
しばらくすると今度はパイの端切れが。
次にはまだあったかいシチューのお肉が・・・。
しまいには、ろうそくやレース編みのクロスや木をくりぬいた匙までが
ジャックの抱えた膝の前で山になって、晩餐会が出来るほどになりました。

 

その日、夕暮れの空を背に川のようにごうごうと鳥が渡ってゆくのを人々は目にしました。
そして彼らは誰言うともなく広場に集まって口々に「村を守れ!」と叫び出したのです。