id:usaurara
うさのことを語る

[藤娘]

十歳ごろ、引越しをして初めて自分の家に住んだ。当時としては最新の「憧れの団地」だった。
私にはその鉄の扉のものが家に見えず、着くなり「これ、家なの?」と言ったんだそうだ。なんと残酷な。

私がそれまで間借りしていたのは木製の扉、檜の柱と縁側、吉野杉の床柱、洋間にはシャンデリア、
庭にはコスモスがたくさん、縁側には藤棚といった戸建て。
何の説明も無くそこから引越しだといわれたらそういうのも無理ない。子供にお金のことはわからない。

そのときちょうど弟の手が離れたこともあるが、母はそれまでの孤独を埋めるように社交的になり
いろんな趣味に励むようになった。
その一環か、わたしに日舞のてほどきをしようと「藤娘」の舞台の話しをし、しきりに教えてあげると言う。
でも全然向いていなかった。(ブサイクとさんざんいわれ育った女の子がどうして美しい姿を舞うことができようかw)
やる気をみせないわたしを母は次第に諦め、わたしが教わらないとならないのは料理だけに戻った。

藤のイメージは情念。女の、美にたいする執着。そんなものを背負わされてたまるものかと、当時から戦ってたような気がするなーww