また2時間ほどホームセンターであれこれ悩んでいまの方向性でよりよくしようと物色していたら、隣でキッドが父ちゃんに「イモリ買ってイモリ買って母ちゃんは『本気で飼いたいならいいわよ』って言うはずだからイモリ買って家に帰って許可もらっていたらその分飼い始めるのが遅れてしまうのでいま買って」
気のない様子の父ちゃんは「このねじが何本必要か、家のアレの数を思い出して考えて」
キッドは「えーともうイモリのことしか考えられないイモリ買って母ちゃんは『本気で飼いたいならいいわよ』って言うはずだからあーもうどうして今日電話機持ってこなかったのイモリ買ってイモリ買ってクワガタと同時にエサやりすれば忘れないからイモリ買って」
というようなやりとりを延々繰り返していた。しばらくそこを離れて、また戻ってみると、親子連れはまだそこにいて、相変わらずキッドが打てど響かない父ちゃんに訴えを続けていた。
「買って買ってヤモリ買ってもうヤモリのことしか考えられない」
あんなにイモリ欲しがっていたのに!
外はすっかり日が暮れていたが、まだ上着を着るには暑かった。
ずぼんぼ@豆腐の角のことを語る
