~言霊~
言葉だけが先走りすぎている、と批評されることがある。
そのいっぽう、もっともっと早く速く走らせないと、と焦ることもある。
そこまで言われるなら、言葉だけでいけるところまでいってやるぞ、と妙な気分で勇んだりすることもある。大事なものを置き去りにしないでいけるのなら。それも、ひとつの道かと思う。まあ、たぶん、そうじゃないほうに進むだろう。
きっと。
それから、じぶんの言葉がまるで、ぜんぜん、ちっとも追いつかないと思うアーティストもいる。
http://www.tbox.co.jp/tbox/db/naito-kinuko.html
太刀打ちできない。
ほんとうに、その場に立つと自分が持っていかれてしまうので、このひとの作品についてきちんと書いたことはない。首の後ろがザワザワして、視点が定まらず、ただひたすら喘いでしまう。なんとなく、耳なし芳一ってこんな気分がしたんじゃないかと思う。もしかすると、ジャックインってこんな感じがするのかも、と考えたりもする。
なんの気なしに外を歩いているひとを、外看板(DM)ひとつで三階まで昇らせる作家は、必ず評価される。わたしはひそかにそんなことをバロメーターにして見ることがある。そういうふうにしてファンをつかんだ作家は、時がたてばそれなりになっている。この法則は、今まで外したことはない。
このひとの場合、そうやって階段三階あがってこられたお客様に、「絵なのか書なのか、なんなのかわからないけど、すごいものをみさせてもらった。どうもありがとう」と言って帰っていただける。そんなことが、会期中になんどかある。
うらやましい。
わたしも、そんなふうな作家になりたい。
florentine(磯崎愛)のことを語る
