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「ただ一本の、喩えようもなく美しい線が引ければ、ほんとはそれだけで満足なのかもしれない」
「ああ、だから君が好きなのは、ボッティチェルリなんだ」
彼が、壁にかけてある《春》の絵に瞳をむけた。
「その通り。サンドロは線の詩人だから。アンリ・フォションのいう、線だけで空間をまことしやかにつくりだす名人。線は何かを分け、区別し、別れさせ」
「でも、つなぐものでもあるよね」
私の意識が完全に絵のほうにむいたことに気がついて、ミズキさんは口の端をあげてから続けた。
「異なるものと相接するところ。これ以上ない究極のマージナル。形を立ちのぼらせる根源だ」
「遍愛日記」3月24日 夜間 より
http://karakusaginga.blog76.fc2.com/blog-entry-117.html
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へんたいにっきと読んでいただき光栄至極にございます!
実は、あまねく、なんですけどね(笑)。発音すると偏愛になる、という。
そして、「変愛小説」というのはすでに敬愛する翻訳者エッセイスト岸本さんが編んでらっしゃるのですよ。二巻までは読んだけど、まだ出てるのかな? むちゃくちゃ面白いのでオススメです☆
ところで。
なんか、うささんになんのプレイかというくらい突っ込まれまくり、わたくし息も絶え絶えにございますwww
(ちょーうれしいんですけど♪ 欲求不満で喘ぎあえぎ、ですわw)
お返事のような、いつもわたしが喋ってることのくりかえしのような(笑)。
わたしは、
サンドロのあの白金の線をわがものとできぬことの切なさに絵を描くのをやめたひとですが、
(さいきん小説のためにちょろっと復活させようかと思ってますが 笑)
じぶんの小説の主人公(姫香ちゃん)には、
どうにかして、
なにがなんでも(笑 いや、だって、ねえ?)、
この世でもっとも美しい線を描かせてやりたいものだと願っております。
叶うかどうかはわかりませんが、
(作者が願ったからといって小説がそうなるわけではないのだよ、これが!!)
そういう「野望」というのは、なかなかどうして悪いものじゃないと思うのですよ。
線の在りようというのは、
そのひとの生命の歩み、歩調、
つきつめれば、allure(アリュール)かと思います。
この、なんとも訳しようのない語が、途方もなく大好きです。
それから、
言語も、線状性にとらわれたものです。
たぶんわたしは、だから、その両方を愛してるのだと思います。
てことで(?)
今から26とちょっと、お送りしますよ!!
初稿つまりドラフト仕上げのナマな感じをお楽しみくださりまし☆
