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勝手に引用のことを語る

「えーと、もう、富野のリアルはリアルすぎてカッコよくないんだよ。
だってさー、あれですよ。普通、ファンはランバ・ラルを男の中の男だと思って燃えて見たいわけですよ。そこで、富野は「なるほど、イクサバカとはああ言う男の事か」とか入れちゃうの。で、ランバ・ラルは馬鹿扱いされてマ・クベの派閥争いの間で補給を断たれて死ぬの。ふざけてるのか!
ギレン・ザビの演説とかもファンはカッコ良いと思って見てるわけですよ。ジークジオン!って叫びたいわけよ。
でもね、富野演出としては「ガルマの国葬演説は全世界に向けて放送したギレンが、ア・バオア・クーでは自分が基地の兵士に直接演説をしないとヤバイ」というリアルなしょっぱさを匂わせる。よく考えたら全然カッコよくないの。
後年、シャアは同じ事をやって「これでは道化だよ」って言うの。
いや、基本的にカッコいいのはできるんだけど、意固地なほどにリアルをいれてしまって、イメージとして分かりやすいカッコよさをやらない。
多分、富野由悠季は「ファンをフィクションで酔わせる事」が出きるけど、嫌いなんだと思う。
ファンの快楽よりも、むしろ「フィクションの中の人物を現実化したい」という欲求のある思想を持つのだと思う。」
「富野だけじゃない、他のスタッフとかキャストの一生懸命も、見えてくるのだから、それは作品個々のテーマや思想を超えた所で命を感じられるんだ。
富野ファンでも「黒トミノ」と「白トミノ」を分ける風潮がある。だが、そのように割り切れる物だろうか?
俺、イデオンの中にも希望を見るし、キングゲイナーの中にも絶望を読み取れるよ。それでも、どっちも好きだし面白かったよ。
白だの黒だの!
思想的一貫性など、仏ではない人間に過ぎない富野に持てるはずがない!その時々の全力を出すだけだ。今もトミノは道の途中なんだよ!
そんな富野アニメだから愛せるんじゃないか!本気が見たいんだよ!」
http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20100130/1264822398
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ご馳走様でございます。
もう、なんか、トミノオンタイへの愛が、愛がっ! みたいな気持ちでシアワセです。
先日、文学フリマで合体配置するかたと打ち合わせしてきたんですが、
「エヴァは私小説、ガンダムは大河ドラマ」っておっしゃってて、あーそれは納得するなあと思いながら(群像劇だし)、わたしなら「エヴァは私小説、ガンダムは世界文学」かなあと返しておきました。
まあそれはともかく、こうしてみると、わたしはガンダムから凄まじく影響受けてるんだなあとわかって面白いです。そう、カッコイイものをかっこよく書くなら、すでに大デュマが『三銃士』で最高の仕事してるんだもん。フローベールが皮肉いっぱいに文句つけようが、あれがカッコイイってことは揺るがない。というか、そうだからこそ文句たれるわけで、けど、じゃあ、エンマやムッシュウ・ボヴァリーがデュマの小説のキャラたちようにかっこよかったらああいう小説にならないよね? ただの三文小説に堕するよね。
つまり、どうしようもなく意地が悪いんですが、フローベールは(というか、ああいう小説をかくひとは)。
ある種、身も蓋もなさを愛せるかどうか、が、富野ふぁんかどうかを分ける分水嶺かもしれないなあ。で、くりかえしますが、わたしは身も蓋もないことを言いまくるひとが大好きなのです。ええ。
本気が好き。本気じゃなきゃ、イヤ。
わたしも本気ですよ、いつもいつもいつも!