ちいさな女の子の泣き叫ぶ声で目が覚めた。すこし緊張しながら耳をすましていると、お夕飯の前に遊び道具をしまうだかなんだか、とにかく好きなものを親か誰かにとられたせいらしい。かなり長いあいだ(少なくとも10分以上続いたものと思われる)拒絶と抵抗と憤怒に金切り声をあげていたけれど、しばらく静かになって、ついさっき、同じ女の子のご機嫌な歌声が聞こえてきて安堵した。同時に、体力あって羨ましいと胸うちで呟いた。
わたしは、幼いころとはいえ、自分の願いが聞き遂げられないという事態に身も世もなく泣き叫び抵抗と拒絶の意思を見せて食い下がったことがあっただろうか。たとえあったとして、それが叶えられた記憶はない。抱いてあやしてもらった思い出もない。
ない、な。
うん。
たぶん、忘れているだけだと思うが。
それらをなかったことにしてしまう日常のくりかえし、または思考回路の作られかたが問題なのだろう。はたまた何もかもを有耶無耶にする、させてきた己の怠惰と諦念が諸悪の根源なのかもしらんと考えながら、ガリガリ君の袋をあける。
30周年限定パック買いました。
今日は、バニラバニラです。甘い。甘いよこれ!
florentine(磯崎愛)のことを語る
