id:florentine は
florentine(磯崎愛)のことを語る

この世でもっとも「危険な関係」は、小説家とのそれである
(と、かのマリオ・プラーツもいっている、が正確な引用ではありません)
 
じぶんの「脆弱さ」とも折り合いがつかないが、
「強情さ」もいかんともしがたい
まして卑屈さやずるさ小心者さ、愚かさや醜さとなればなにをかいわんやのレベルである
 
なんどでもくりかえすが、よわくてもつよくても他者を傷つけるのは容易だ
困ったことに、そしてむしろ物書きとしてはありがたいことに
ほんとうに、そんなことは容易いのだ
おのれの卑しさゆえにいうのではなく、わたしはただ、ジジツなるものをさししめすだけだ
 
「小説」というジャンルは人類の発明したものではずいぶんと後からやってきたもので、
そうした歩みの遅さと恰好の悪さゆえにおそらくはこの先も生き延びるであろうし、
徹底して「個別性」と相性がよいがゆえに忌避されることもあろう
 
さいきんとみに、ルネサンス時代以降に獲得されたものが失われる時代に生きていると感じることがある
もしくはそれらははじめからないものであったのかもしれない
わからない
いや、わからないというのはわたしのごまかしで、
ほんとうはそれなりにじぶんのなかであるていど認識しつつある
ただそれを言葉にするのはだいぶ先になるとしっているのだ
 
「抵抗」というのはいつでも後から来るしかない
先立つことはできない
しかしそれが、そう宿命づけられているがゆえに
「文学」というもののもつ本質的な根源的な「力」であり、またその遅れることの、間に合わないことの、つまりは役に立たないかもしれないという覚悟なくしては描き得ない何かをもたらすものとも思う
 
「物語」のもつ慰撫、慰藉のちからをわたしはたいそう愛するが、
そこに内在する教化、社会化のちからについても忘れたくはない
 
まあそんなわけで、
まいにちてがいたいのつかれたののどがはれたのいいながら、
誰にも何にも役に立たないものを
ひとでなしがゆえに書いている