伏せておいた方が有利な情報を後出ししたり、誰が聞いても罵詈雑言言ったに違いないことをやったと明言しながら「知らない人が聞いたら罵詈雑言と誤解される」とわざわざ書いているところなど、読者に親切な作家のようです。とてもうっかり出来ることではない。モノを書く際に見習わなければと思いました。
小町には自分が被害者と思い込んでいる客観的に見たら100人中89人が加害者と断定するような人がちょいちょい登場しますが、定年退職蒸発妻さんは、一見うっかり書いてしまったように見えて、ずいぶん知的な配慮がされていると感じます。
これまで出会ったお手紙の才能のある人ベスト10に入るうちの二人は明らかに人格に問題のある人でした。あまりの心の棚の大きさに関心せずにいられません。どちらも自分に不利になる情報は問い詰められない限り書かない人でした。こういう人がすでに荒れている小町っ子に「妻が相続した財産をよその女性にくれてやった」「自分のせいで猫を車に轢かれて涙ぐむ娘の顔がどうにも腹が立って」なんて書くのは不自然な気がする。
「仕事人間だった自分は先様の都合で頭がいっぱいで、つい声を荒げてしまい、帰宅したのは真夜中だったので娘に謝罪する機会を逸してしまいました。」
くらい書ける器のトピ主じゃないか。
「でしょでしょ!酷いんだよ、この人は。でね、話はまだあるんだけど」
と小町の皆さんに語りかけてくるかのような勢いを感じるんですよねー。
同時にこのリアリティは実話じゃないかな、とも思うんですよ。ううむ。
くたびれ はてこのことを語る
