id:kutabirehateko は
くたびれ はてこのことを語る

結婚は人生の墓場だと言う人の気持ちもよくわからなかった。
結婚を「死ぬまで働いて一人の女性を養うこと」「死ぬまで家事をやって一人の男性の面倒を見ること」だと思うと、確かに辛そうだ。
 
それに、こういう考え方を元にすると、稼ぎが乏しい、あるいは収入も財産もない男性や、家事能力が乏しい女性と結婚するのは理解しえないだろうと思う。
体の弱い人、障害のある人と結婚するのは慈愛の表れか、恋愛で判断力がおかしくなっているように見えるかもしれない。
 
誰かのために働くことを墓場だと思うことにも、自分のために平均的な労働力を提供しない人といるのは不条理だと思うことにも、人は好きな人と一緒にいるのがとても好きだという視点がすっぽり抜けてる。
好きな人と一緒にいるために人は犠牲を払うことをいとわないし、そもそもそれを犠牲とは思わない。
 
好きな人と、日ごとに改めて約束もせず一緒にいられて、それを社会的にケアしてもらえるのが結婚のいいところだと思う。
好きな人というのは、恋愛とちょっと違う。すき、という日本語の意味の奥深い意味でさすところの好きな人。
 
「恋愛を長引かせるために結婚するんじゃないよね」ともちのすけに言ったら、「恋愛を長引かせたかったら結婚しない方がいいよ」と言ってた。私もそう思う。
 
結婚生活を円滑にするのは一つの技術だから、いくら望んでいても、好きな相手とでも、結婚生活をうまく行かせるには年季がいる。技術の習得とはそういうものだ。最初は上手くいかない。見返りも少ない。
ドイツの徒弟制度のイメージ。上達するとすごい仕事が出来る人もいるけど、やめる人も多い。場を変えてやり直す人もいる。その仕事そのものを憎むようになる人もいる。でも細々仕事を続けて、自分なりに満足のいくいい仕事が出来るようになる人もかなりいる。
 
結婚という取り決めそのものは、いいものだと思う。
大勢の人とお金が関わることだから、悲惨なことも醜いことも起こる。色んな人の思惑が衝突することもある。
でも家族という取り決めそのものは、いいものだと思う。悪い面ばかり強調されがちだけれど、そもそも人と人が関わる関係で、一切問題のない関係なんてない。
結婚制度そのものを憎んだり攻撃したりするかのような意見を目にすると、それは違うと思う。
他人と家族になっていくのは、他にないような喜びのある生活だ。うちは子どもがいないけど、子育てにはまた違う喜びがあるのだと思う。
  
養ってもらうとか、衣食住身の回りの面倒を見てもらうとか、恋愛関係にあるというのとは違う種類の喜びがある。
だから、養ってもらえなさそうでも、身の回りの面倒を見てもらえなそうでも、恋愛関係になくても、結婚して上手くいくことはある。
所得が十分で家政に長けていて、恋せずにいられない人だと上手くいく確率が上がりそうではあるし、心配も少ないかもしれない。でも、自分や結婚相手がこういう人かどうかということは、結婚生活が楽しいかどうかと必ずしも一致しない。