id:kutabirehateko は
くたびれ はてこのことを語る

一人で誰もいない鍾乳洞に入ったことがある。
入り口で借りたサンダルを履いて水をばしゃばしゃはねかしながら奥に進む。
「いまここで電気消えたらどうしよう」と考えて怖くなっているところに人が来た。
薄緑色のつなぎを着て長靴を履いている。心細さの反動で疎遠の親戚に会ったかのようにうれしくなり、カメラを渡して写真を撮ってもらい、出口まで前後に並んで話しながら歩いた。
 
近所に住む役所勤めの男性で、車に積んだマイ長靴を履いてときどき鍾乳洞に来るのだそう。へー、そうなんですかー、鍾乳洞楽しいですか、と言いながら道々何度か写真を撮ってもらった。鍾乳洞好きの知られざる生活にとても興味が沸いた。と、とつぜん改まった調子で「このあと食事でもどうですか」と言われた。