わたしが月経や初潮について知ったのは、家にあった子供用の学習図鑑の保健体育の巻からだった。サッカーのルールから末梢神経の図解まで出ているような本で、女性の体の変化として初潮から閉経までのことが子宮や卵巣の図入りで説明されていた。
ところが、その現象に何が伴うのかという具体的な説明がどこにもない。
わたしは何度も関連項目を読み返してもわからなかったので、これじゃ初潮が始まってもわかんないよな、と思って夕飯の席で母に聞いた。
「ママ、初潮ってなに?」
「え?! はてこ、いまそれになってるの?」
動転した母は意味不明なことを言って、その反応からわたしはそれが恥かしく忌まわしく恐ろしく口に出すのを憚られるものなのだと理解した。
「図鑑に書いてあったけど、ゲッカって何があるか書いてなかったから」
「ああ、それはゲッケイっていって、血が出るのよ。そうなの?」
「違う・・・」
もう二度と聞くまいと思った。ほんとに、爆発したいような恥かしさだった。
「ああ、赤ちゃんを産む準備をしたところが剥がれ落ちて血になって出てくるのよ」
くらいに返事してくれたら、なんとも思わなかった。怪我や病気の話をするように。
先立ちの反応から社会の状態を理解することってたくさんある。
でもそれがいい反応、Bestなものかっていったらそうじゃないよね。
自分はあんな風に説明したくない。
くたびれ はてこのことを語る
