id:kutabirehateko は
くたびれ はてこのことを語る

わたしが愛するとは何かを知ったのはたぶん7歳から15歳までの間、指圧を覚えた時だ。
指圧しているときは、目の前の人がすべて。その人の思想も能力も容姿もそれまでの自分との関係もぜんぶ関係ない。わたしを嫌っていた教師やわたしをさんざ殴りつけた直後の父であっても、ひとたび指圧に入るとぜんぶどうでもよかった。何も欲しいと思わなかった。ただ安心して身を委ねてくれたらそれでいい。出来ればそのまま一眠りしてほしい。
 
そんなときは自分の中にすごく広い部屋が、どんどん広くなる部屋が出来たような気持ちになって、手のひらから力が湧いてきて、ニ時間ぐらいは疲れずに揉んでいられた。手が熱くなって、「おまえ、何か手に持ってるのか?」と父が何度も不思議がって聞いた。