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くたびれ はてこのことを語る

小さいころ、周囲の大人たちから「大きくなったら何になりたい?」とよく聞かれました。
憧れの職業をいくつかあげると大人たちはじれったそうにして「お嫁さんは?」と言って来たものです。
女の子の夢はお嫁さん、そういう時代だったのでございます。
しかしわたしはお嫁さんになりたいと思ったことは一度もなく、むしろ大人の期待がいやらしく思え
家事がすき→女らしい→いいお嫁さんになるね
と思われたくないと思いました。「女らしくない、女らしくなれ」と言われるたびに
ひそかに「ざまあw」という気持ちがありました。
大人になってからは女らしくない→家事も料理もしなさそう、と見られることがよくありました。

しかし、わたしは家政全般がだいすきだったのです。
昭和のプロ主婦本や「暮らしの手帳」を読んでは憧れでため息が止まらず
初めて主婦雑誌というものがこの世にあることを知ったときの衝撃を忘れられません。
「ここにわたしが知りたいようなことまとめて書いてあるじゃん!」と思いました。
でもまぶしいのは「料理好きのお家カフェでかわいい雑貨に囲まれて楽しくほっこり主婦」ではないのです。
こう、昭和の、まじ戦後モノ不足を知恵と工夫でうまいこと生き抜いたっていうあの感じなのです。
昨今専業主婦叩きは加熱する一方ですが、あの在野の賢人専業主婦のみなさんが日本を支えていたのです。

と、書いているだけでどんどん熱くなるくらい、わたしは家政の世界に熱烈な憧れを持っている。
その思いの強さは仕事を持って稼ぐこと、名を挙げることとはくらべものにならないほどです。
その事実に今になってやっと気づきました。だから稼がないんだなと。