幼稚園のときに、すきな男の子はだれ?って母に聞かれてですね、うっかり答えちゃったんですよ。
その日以来、母はわたしが友人知人を連れていると必ず言うようになりました。
「はてこは幼稚園太郎君がすきだったのよね?(ニヤニヤ)」
まあほんっといやな思いをしました。結婚してからだって言いましたよ。必ず人前で。
で、あるとき平静を装って微笑みながら
「ああ、幼稚園太郎君ね。どんな子だっけ?今も地元にいるのかな」
と答えたら、さっとニヤニヤが消えましてね、やっと30年来続いた羞恥プレイはお開きになったんです。
あとね、小学校一年生のときに、上級生の女の子に公園でそりゃもうしつこく
「すきな男子いる?誰にも言わない、絶対言わないから、教えて教えて教えて教えt」
って絡まれて。
その上級生と話をしたのは後にも先にもそれ一度きりなんですが
実はその子の弟が同じクラスで、その子のこと、いいなと思ってたんですね。
で、上級生だし、ちょっと勢い怖いし、秘密にするって約束するから言ったんですね。
だってまだ7歳なってないくらいだから、裏とか読まなかったんです。わたしも。
そして翌日学校へ行ったら、その男の子がさっとやってきて、怖い顔でこう言ったんです。
「おまえなんか、ぜったいお嫁さんにしてやらないから!」
もう大ショック。ふられたことじゃなく知られたことが。裏切られたことがショック。
この二つのことがあって以来、わたしもう絶対に恋愛相談って人にしなくなったんです。
もう絶対に絶対に、誰がすきとか付き合っているとか言わないで大人になって。
付き合っている人がいたときでさえ人に打ち明けたこと、ほとんどない。
内なる乙女の人間不信ぶりがもうハンパない。
だからナイス紹介しようシリーズとか金麦男子とかに乗っかれないんだなって。
いまちょっと気が付きました。大人なのに。楽しそうなのに。ちぇっ。
