実家を離れて暮らし始めたころ、故郷の友人知人にそっくりの人を街中でよく見かけた。
あまりに似ているのでびっくりするんだけど、一瞬で雑踏に消えてしまう。
「その人に会いたいと思っていると、見間違いをするの。ママもあったわ」
と母に言われた。確かに暮らしに慣れてきたころ他人の空似現象は収まっていった。
以来知っている人に似ている人を見かけたら、本当はその人に会いたいんじゃないかなと思っている。
交友が絶えた人のことで何度もそういうことが続くと、自分の本心について考えたりする。
くたびれ はてこのことを語る
