決して自慢で書くわけじゃないのだけれど(自慢にもなりゃしない)、うちの実家8LDKに六畳の物置、別棟の20畳程の物置の二階。(下には農機具)
二階の私と弟の部屋、父の自室を除いて、外から人がやって来たとき入れる部屋がひとつもないの。
着ない洋服、買っだけの健康器具、まだ読んでないと主張する冊子に新聞、チラシの類い、いつか何かに作り替えると言い張る古布、
もう古くて重いだけの何十年も押し入れにしまわれたままの綿布団。
お菓子のきれいな化粧箱、私たちの学生時代の運動着、なによりも母の洋服。
そんなものでひとつひとつ床を埋め尽くしていったあげく、ありとあらゆるものが行方不明。
そして、母は見つからなければ新しく買ってくる。
うち、決して裕福じゃない。
そうやって埋めつくし、廊下すらも同じようになり、もはや縁側のカーテンも開けられないの。
定期的にやってくるおばあちゃんのケアマネすらあげるために部屋を片付けることを拒み、玄関の立ち話で済ませて帰らせる。
庭にも、年二回の小学校の廃品回収に出す!と主張し捨てさせない空き缶と古新聞が層をなして、雨に濡れている。
もうね、本当に悲惨。
居間以外、誇張でなく床が見えないの。
入るには床にある洋服や紙ごみを踏みつけながら歩くしかなく、夜なんて危なくて仕方ない。
おばあちゃんも高齢だし、いつなんどきなにがるかわからんのだから、少しはものを減らしておかなくちゃね…とできるだけ穏やかに話しかけているつもりなんだけど、結局ひとのものを勝手に捨てるな!と口汚く罵られるばかり。
今、家で急病人が出ても救急隊に入ってもらう足場もないよ。
万が一のことがあったら、放置したまま廃棄業者呼んでコンテナにごみを詰め込んで持っていってもらうまで、親戚に連絡もできないよ。
叔母たちは親族だから惨状を知っていて諦めてくれるかもしれないけど、その連れ合いはどうする?
来てもらっても座る場所すらないんだよ。
そんな母は着替えることもなく、一年中こたつで寝てる。
夏はこたつテーブルの脇にタオルケットかぶってね。
最初は父て同室だったの。あまりに散らかすから注意されてその部屋から別な部屋にふとんを持ち出し、ひと部屋ずつごみに埋もれさせたあげく、とうとうふとん敷く場所もなくなって、居間のこたつに住み着いた。
精神の病であることは間違いないんだけど、決して認めようとしないで今に至る。
ゆきのことを語る
