山口は光の武田薬品の友達を訪ねたんだった。
新幹線を広島で降り、山陽本線で光まで。
3月の山口は暖かく、初めて見る瀬戸内海は穏やかで、いつまでもいつまでも海を見ながらボックス席に乗っていたかった。
当時は光駅前にはホテルなんかなく、駅前の旅館に泊まったのだけど、興奮してかまったく眠れず、窓からずっとホームを見ていた。
なぜか、真夜中なのに中島みゆきの「臨月」が駅に小さく流れていて、合わせて歌っていた。
今でも「臨月」を聞くと興奮と不安で眠れなかったあの晩の暖かな夜を思い出す。

山口は光の武田薬品の友達を訪ねたんだった。
新幹線を広島で降り、山陽本線で光まで。
3月の山口は暖かく、初めて見る瀬戸内海は穏やかで、いつまでもいつまでも海を見ながらボックス席に乗っていたかった。
当時は光駅前にはホテルなんかなく、駅前の旅館に泊まったのだけど、興奮してかまったく眠れず、窓からずっとホームを見ていた。
なぜか、真夜中なのに中島みゆきの「臨月」が駅に小さく流れていて、合わせて歌っていた。
今でも「臨月」を聞くと興奮と不安で眠れなかったあの晩の暖かな夜を思い出す。