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ゆきのことを語る

思い出したこと

小学校の低学年の三年間は女性が担任だった。
宿題を忘れたら、平手打ち、何回も忘れて教室から引きずり出され、低学年のクラスにたたき込まれた男の子もいた。
私も、なんでだったか記憶にないけれど、おまえなんかもう帰れとランドセルを背負わされ、帰れ帰れと教室で言われて、夏で机の脇に白地に紺の水玉の帽子がかけてあり、帽子がないから帰れないもん…と、どうしていいのかわからず、立ちすくんでいた。

熱心さが体罰につながったタイプだし、親も「どんどん叱って下さい」という時代だった。

ただ、恨んでいない理由は熱心さも同時にわかっていたし、がさつな田舎の小学生に社会のルールやマナーも教えてくれ、初夏には新緑の美しさを説き、雪の結晶の繊細さも教えてくれた。

暴力は今でも容認できないけど、操業式で泣き通しだったのは既に担任を外れていた彼女だったし、何年か前に偶然話した時、「昔は叩いて本当に悪かった」と言ってくれたことと、80の高齢になって謝れることに
驚き、解氷したのだった。