「ハチの子リサちゃん」で伊藤理佐も書いていたように、長野県の中学二年生には命がけの学校行事がある。
夏山登山。
学校によって行き先は違うけれど、二千メートルから三千メートル級の山へ。
この登山の始まりはは、今から百年前に高等小学校の学校行事の鍛錬登山が遭難し、多くの死者をだしたことにある。
一緒に遭難した校長は、大変な非難を受けたけれど、生き残った教員と生徒が校長の意志を継いで登山を再開。
それが長野県全般に広がっていった行事。
新田次郎が小説にもしている。
私を山に誘う彼女はまさに前身がその高等小学校の出身で、私も彼女も中2でその遭難のあった西駒ヶ岳に登山。
朝四時学校集合で、バスで移動し、約八時間かけて山小屋へ。
帰りも同じように下ってきた。
今は安全を考えて、往復ロープウェイだったりするらしいけど、正直どうよ?と思うわ。
しんどかったけど、楽しかったもん。
件の学校が登山を再開した夏、それまで何度探しても見つからなかった最後の遭難者の遺骨を生徒が発見。
白いうさぎがはい松に飛び込むのを見つけた生徒が、山のうさぎに白は珍しいと追いかけた先に遺骨があったと記録されている。
その学校が来るのを待っていたのだなぁと。
