気持ちよく聴いていたはずが、憂鬱な気分になってきたのよ。
頭にちらちらと浮かぶ風景のしっぽをつかまえてみたら、かつての婚姻地。
あぁ、これはプチットマドレーヌ…
近隣の街にあった古い教会や、崖に張り付くように建つ美術館、暗い森に隣接した公園…
いつもひとりでそんなところに行っていたよなぁ。
不安で不安で仕方がなく、でも行くあてもなかったあの頃の私。
が、上書きせねばならならぬ。
また行くもんね。
もう同じ曲で、同じ物を見ても不安になんかならないんだからね。
と、いうわけでデートの相手をさがすことにいたしましょう。
いる?
