ふと思い出した。
小学生の頃、友達に借りて読んだマンガ。
確か少女向け月刊誌だった。
少女が学校帰り、共に刃物をふりがざしてに喧嘩しているひとを見る。
急いでそこから逃げる少女。
だが、その先の道で車に跳ねられるひとを見る。
救急車を!と言うが、目撃者の誰もが無反応。
どうして助けてくれないんですか!と近くにいた大人に問うと、
「君は知らないのかい?日本は狭い国土に人間が増えすぎた。だから今日はひとを殺してもいい日になったんだ。今日は誰を殺しても罪には問われない。だから子供は早く家に帰ったほうがいい」
そんなこと信じられない!でもうちは大丈夫!と、あちこちの惨状を見ながら自宅に走る少女。
家に着き、安心した少女が見た惨劇は…。
昭和40年代、こんなバトルロワイヤルなマンガが少女誌にあったのよ。
もうひとつ印象深いのは、これはりぼんだったように思うのだけど、沖縄の地上戦を描いたマンガ。
岸壁に逃げてきた集団、アメリカ人に捕まれば辱めを受けると聞いて、自決を決意した大人たち。
ある母は、髪をといてあげようね…と娘の目を閉じさせると、カミソリを手に取りうなじへ…
確かにそんなマンガがあったのよ。
昭和40年代って終戦から二十数年。
私は全く感じたことなどなかったのだけど、まだ戦後の残り香があったのかも…
と思ったんだけど、平成に入って既に四半世紀。
自分の生まれた二十数年前が戦時中であることを考えると、その二十年はものすごく遠くに感じる。
だけど、元号が変わってから同じくらいの時間が流れたのだと思うと、あら、ついこないだじゃない…と思うのだった。
ついでに描くと、カラーページにはアイドルタレントの写真があって「○○君にお手紙を書こう!」って住所が、事務所ややレコード会社でなく、ごく普通のアパートの住所でもあった。
