さて、鬼の居ぬ間に…と、実家からゴミ6袋を車に積んで帰宅。
大昔の端切れと服、母が溜め込んだ、紙類と服。
おばあちゃんは手仕事が大好きで、農閑期に近所のおばあさんたちと近場の温泉に行くときにも、古い端切れやほどいた毛糸玉を持って行き、なにかを仕上げて戻ってきたもんだ。
が、どう前向きにとらえてももうそんな日はこないのだし、そう遠くないであろうその日に、親戚がやってきても、母の「勝手に何も捨てるな!」じゃ、冗談ではなく座る場所すらない。
母の、片づけるのに困って箱やビニール袋に詰めて座敷に投げ込んで存在すら忘れている、雑誌や新聞の切り抜き、広告の裏に書き殴ったメモ、古いカタログ、ダイレクトメール、染み抜きをすれば着られると何年もそのままで虫の食った服。
野良へ着るから!とため込んだまま忘れた山のような服。
私が子供の頃に着ていた、おばあちゃんの服。
すり切れたシーツにシミのでたカバー。
考えると手が止まるから、考えないようにして、どんどん詰め込んだ。
あのときめき本には、ひとの物は捨てちゃいけないとあったけど、我が家はそんな状態ではない。
おばあちゃんの端切れや昔のモンペにごめんねごめんねと繰り返しながら詰め込んで、母の目にとまらぬように車に積み込んだ。
これをあと何回繰り返さなくちゃいけないのだろうかと思うと、つらい。
