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ゆきのことを語る

更にヤギで思い出したこと。

小学校の通学路で、帰宅時に時々すれ違ったおじいさん。
ヤギにリヤカーを引かせ、自分はリヤカーに乗っていた。
子供心にも不思議な光景だったけど、長じてからはそれが現実だったのか夢だったのか曖昧になっていた。
まだおばあちゃんがはっきりしていた頃、その話をしてみると、笑って言った。
「まぁ、えらいヤギだねぇって褒めると、あのおじいさんは【ヤギじゃなくてヤギを仕込んだ自分を褒めろ】って言ったんだよ」
…確かにそれも一理ある。

おじいさんはリヤカーから、時々細い柳のムチでヤギのお尻を叩く。
ヤギは嫌がるでもなく、同じ速度でゆっくりと引きながら、指示もないのにおじいさんの家に帰って行くのだった。

【自分を褒めろ】の話を教えてくれたおばあちゃんともそんな話が出来なくなって久しくなり、私はまた、夢だったのか映画か何かを現実と混同しているのか…?と思うようになっていたのだけど、そのあたりに実家のある会社の同僚と話したら、「いたいた!!」と言われて、なんか安心したのだった。

ヤギ、可愛いよ、ヤギ。