元々は事務職採用だったのだけど、一年先に入っていたもうひとりの女性と、全社で有名になるほど合わず、でも当時はまだおとなしかった私は理不尽だなぁと思いながらも、はいはいと仕事をしていたのだった。
が、ある日とうとう私が爆発。
原因は前日のわずか30分の残業が同僚女性の逆鱗に触れたことにある。
「なにこの残業!時間が来たら帰ってって言ってるじゃない!」
お客さん目の前にして、お茶も出さずに帰れますか?
が、私もあまりのバカバカしさに、じゃ辞めます!と宣言して、段ボールに机の上の物を叩き込むとゴミ置き場に投げ込み、止める営業マンを振り切り帰宅。
その日の夜にことの次第を見ていた営業から報告があった上司から電話。
明日は有給でいいから、夜になったらちょっと話しに来いと。
で、おまえは営業やらないか?と。
だけどまた社内に女性の営業はいなかった。
俺がかけあって、上に話を通すから二ヶ月待て。その間は仕事はできるだけふたりを分けるし、みんなで全力で守るから。と。
あんな殺し文句、後にも先にも聞いたことがない。
