大伯父は低値安定の模様
目は開けていたけれど、もう誰のこともわからない
嫌な年回りになったな、立て続けにこんなことが起きてしまう年齢になったのか、私は
病院のあと、おばあちゃんの施設へ立ち寄り、久しぶりに会う
おばあちゃんももう私が誰かわからないんだけどね
お父さんがいなくなっちゃったんだよって、声にならない声で話す
犬の写真も見せながら、一年前にはぷりん(犬の名。プリン色の犬だったので)もいなくなっちゃったのにねと
わからないのも幸せなことかもしれないと自分を納得させて、施設を出て大伯父の家に行き、歳は私の方が近い、母の従妹とあれこれ話す
いつの間にかチワワを飼っていて、人見知りしないその犬を膝で二時間揉みながら話していた
ふわふわで温かい小さなものが懐かしくて、ずっと抱いていた
悲しい
