おばあちゃんは今日も声で返事してくれた。
久しぶりだな、おばあちゃんの声。
そして、おおきく笑いかけると、同じように笑ってくれるのだった。
嬉しかった。
ああ、おばあちゃんてこういう顔で笑うんだったと思い出した。
こういうことを大事に覚えていよう。
ところで、母はおばちゃんに怒られたらしい。
少し前だけどいきなり母の名前を呼んだそうな。
強い口調でK子! 嫁じゃなくて実子だから、まあいつもこんな感じだったのだけど。
その呼び方が、いかにも小言を言うときのアレだったと叔母がこっそり教えてくれた。
ああ、よほど見かねて言いたくなったのねえ・・・。
言いたくもなるわよねえ・・・。
妃寿を越えて、喜寿に近い娘に世話焼き。
おばあちゃん、どこまで働き者なんですか。
