待つことを我は選びぬ夜の街に風と風との出会ふ音する(栗木京子)
…覚悟を持って<待つこと>を選ぶのが安易でも逃げでもないことを、掲出歌が教えてくれた。待っているとき、人はほかのことをしているように見えるかもしれない。何もしていないように見えるかもしれない。でも本当は、近づいてくるどんな小さな足音も聞き逃さないよう耳をすませているのだ。ざわめく夜の雑踏の中、<風と風との出会ふ音>を聞き分けてしまうくらいに。
佐藤真由美 『恋する言ノ葉』 p.157 (集英社文庫)

待つことを我は選びぬ夜の街に風と風との出会ふ音する(栗木京子)
…覚悟を持って<待つこと>を選ぶのが安易でも逃げでもないことを、掲出歌が教えてくれた。待っているとき、人はほかのことをしているように見えるかもしれない。何もしていないように見えるかもしれない。でも本当は、近づいてくるどんな小さな足音も聞き逃さないよう耳をすませているのだ。ざわめく夜の雑踏の中、<風と風との出会ふ音>を聞き分けてしまうくらいに。
佐藤真由美 『恋する言ノ葉』 p.157 (集英社文庫)