id:discordance
残業(トナカイ)のことを語る

昨日のお昼過ぎ。秋葉原のメインストリートの歩道でうちわが配られていたのを何気なく受け取った。小雨が降ったり止んだりして外気は殊のほか涼しかったが、その後に乗る電車や駅施設では人ごみと蒸し暑さが予想されて、そんな打算をしてうちわを貰った。
うちわの片面には地下アイドルの劇場を宣伝する広告が載っていた。裏返すとロゴマークの上の方に、地下アイドルと思しき人物の名前が手書きで記されている。殴り書きである。直筆かもしれない。顔は見なかったが、配っていた人物はたしか派手な洋服を来た甘ったるい声の若い女性ではなかったか。あの粘度の高い声の主が署名のご本人と考えるのが妥当のような気がした。名刺がわりのうちわをばら撒くために地下アイドルは地上に這い上がって来ていたのか。蝉ならばあと数日の命だ。
もやもやと考える内に形状を知らない偶像の名称が記載されたうちわは少し重く感じられて、風を扇ぐでもなくぶらぶらと持ち歩いた。破棄するにもなんだか重たいじゃないか。このまま交番に届けたら彼女の元に戻るだろうか、などと意地の悪いことも思いついたが、電車も駅もさほど蒸し暑くなかったので結局破棄した。