[何かを妄想]
6月末。SASAを夜流してはいけない、という土着の掟を破った若者が、翌朝、川岸の遊歩道でずぶ濡れの死体となって発見される。死因は全身を巨大な何かで圧迫されての圧死。体長30mメートルの怪獣に踏まれたらこうなるかもしれない、と検視官は冗談めかして言った。七夕が近づくに連れて同様の死体が次々と発見されるが、真相は杳として掴めない。しばらくして目撃者の証言から、被害者の何人かが夜、○ヶ領用水に笹舟を流していたことを刑事は突き止める。日が暮れるのを待ち、半信半疑で○ヶ領用水に笹舟を流す刑事。笹舟は川の流れに乗って闇の中に吸い込まれ、瞬く間に視界から消えた。刑事が自分の行為を自嘲してため息を漏らす。その時、轟音を立たてて何かが遡上してくる気配に気がついた。拳銃に手を掛ける刑事、しかし暗闇からぬっとせり出したそれをを目の当たりにして刑事は硬直した。SASA…?しかし、俺が折ったのは、もっと―― 常夜灯の乏しい明かりは既に緑色しか照らしていない。川幅に収まリ切らない一艘の笹舟が川べりのコンクリートをごりごり削りながら岸に乗り上げ、そこで立ちすくむ刑事を舐めるように飲み込んだ。視界が緑から黒一色へと暗転し、刑事の意識は途絶えた。
残業(トナカイ)のことを語る
