id:star-gazer
はちぶんぶんのことを語る

30年後、まあ2040年代のノーベル物理学賞はどんなテーマに与えられるんだろう。
いま最先端いってる件が選ばれそうですが、そういう論文はお高い専門誌でないと読めないので、フリーランスの身では手の届かないもの。
ちょっと最近のものでつながってるだろうと思われるものを連れてきました。

小柴昌俊、レイモンド・デイヴィス
「天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」(2002)
実際にカミオカンデでの実験に成功したのは1987年。これは「ニュートリノ天文学」という新しい学問分野を開拓したことになる。

南部陽一郎
「素粒子物理学および原子核物理学における自発的対称性の破れの機構の発見 」(2008)
論文の発表は1960年。
小林誠、益川俊英
「自然界においてクォークが少なくとも三世代以上存在することを予言する、対称性の破れの起源の発見」(2008)
論文の発表は1973年。「昔の話。36年も前の仕事ですから」(益川のコメント)

ピーター・ヒッグス、フランソワ・アングレール
「欧州原子核研究機構(CERN)によって存在が確認された素粒子(ヒッグス粒子)に基づく、質量の起源を説明するメカニズムの理論的発見」(2013)
ヒッグス粒子の存在予測は1964年。2012年7月にCERNがヒッグス粒子と考えられる物質を発見したと発表。
「生きている間にヒッグス粒子が発見されたことは嬉しい」(ヒッグスのコメント)

だいたい30年くらい前に研究室でコツコツやってたことが評価されてめでたく受賞するのです。
だからじいさんばっかりなわけで。早くしないと死んじゃうと思っていたので(すみません)南部先生が受賞できて本当に良かった。

最年少受賞者
ローレンス・ブラッグ
「X線による結晶構造解析に関する研究」(1915)
25歳で父親のヘンリー・ブラッグと共同受賞、論文発表は1912年。

最年長受賞者
レイモンド・ディヴィス
「天体物理学への先駆的貢献、特に宇宙ニュートリノの検出」(2002)※①
88歳で小柴昌俊と共同受賞。ディヴィスの論文発表は1964年。

最短で受賞した記録
ヨハネス・ゲオルグ・ベドノルツ、アレキサンダー・ミュラー
「セラミックスの超伝導体を発見したことによる重要なブレイクスルー 」(1987)
酸化物高温超伝導体の発見の論文発表は1986年。約1年。
ドイツ語なので読めませんでした。でも英文雑誌に発表してたらもっとすごい騒ぎに…

最長で受賞した記録
エルンスト・ルスカ
「電子を用いた光学に関する基礎研究、特に最初の電子顕微鏡の設計」(1986)※②
電子顕微鏡の開発は1931年。約55年後。

ペイトン・ラウス
「発がん性ウイルスの発見」(1966)※③
1909年から現ロックフェラー大学に勤務。初期の論文が決め手となったと思われる。約55年後。

※①2002年はリカルド・ジャコーニが「宇宙X線源の発見を導いた天体物理学への先駆的貢献」で単独受賞。発表は1962年
※②1986年はゲルト・ビーニッヒとハインリッヒ・ローラーが「走査型トンネル電子顕微鏡の設計 」で共同受賞。発表は1982年。
※③ラウスは医学・生理学賞