知り合いにいつも壮絶な体験を話す人がいる。一人の人が一生に一度経験するかしないかのことを数々体験している。
何度も聞くうちに矛盾もあって、でもいちいち指摘するほどの仲でもないので話半分モードで聞き流している。
まあ、相槌だけ打つのも気持ち的にしんどいので私の話もするんだけど、1回、一週間前に私がした私の体験談を、その人が自分の体験として語り出しちゃったんだ。私と二人きりの空間で。
人の記憶ってとても曖昧で、絶対実体験だと信じていたことが夢か空想だったりする。
だから、その人の記憶を疑うなら、同時に、私が私の体験だと思っている記憶を疑う必要がある。
自分の記憶を確信している人を信用できない。
ひとり、「自分は映像記憶だから全てのことを覚えている」「だから自分の言っていることは絶対間違っていない」と言う人がいた。
それは本当なのかもしれないが、複数人で話しているとき(つまり皆んなの記憶のすり合わせをしているとき)に、その人の話の時系列がバラバラなことがわかってしまったということがあった。
どういうことが起きたかというと、例えるなら「試験残念だったね」と試験勉強中に言われた、というような記憶の仕方をしていたために揉め事がおきてしまったのだった。
