かぐや姫 66 石上の中納言と燕の子安貝
中納言は、その老人に直接会い、子安貝をとる方法を聞きました。
「今やっている方法では、子安貝はとれません。高い足場に、二十人もの人が登っていては、燕が怖がって巣に帰ってきません。一刻も早く、高い足場を壊し、そこからみんな離れること。そして、一人だけを荒かごに乗せて座らせ、すぐ網をつりあげることができるように準備しておくこと。燕が卵を産もうとしている時に、その網をつりあげ、籠を上にあげて、さっと子安貝をとればいいのです」
「それはいい考えだ」
中納言は、高い足場を壊し、家来たちに邸へ帰ってくるように伝えました。
