かぐや姫 46 阿倍の右大臣と火鼠の皮衣
名残なく燃ゆと知りせば皮衣
思ひのほかにおきて見ましを
安倍は、何もいえず家へ帰りました。
人々は、「安倍の大臣が、火鼠の皮衣を持って、かぐや姫の家に行ったというが、二人は結婚したのか。大臣は、かぐや姫の家にいるのか」と聞きました。
ある人は、「火鼠の皮衣を火にくべたら、めらめらと燃えてしまったとのこと。だから、かぐや姫とは結婚しなかったようですよ」といいました。
人々は、安倍の火鼠の皮衣の話を聞いてから、「安倍」にちなんで、「あへなし」というようになりました。
