かぐや姫 44 阿倍の右大臣と火鼠の皮衣
「この皮衣を火にくべて、それでも焼けなけなかったら、本物でしょう。もし皮衣が焼けなかったなら、あのかたと結婚します。じいは、この世にひとつしかない物だから、本物だと思えというけれど、私は本物かどうか皮衣を焼いて確かめたいのです」
姫が、いいました。
おじいさんは、安倍に「娘がこのようにいっております」と伝えました。
すると、安倍が、
「この皮衣は、唐にもなかった物を、やっとの思いで手に入れた物。かぐや姫は、何を疑っているのでしょう」と、いいました。
