id:dowakan
かぐや姫のことを語る

かぐや姫 42  阿倍の右大臣と火鼠の皮衣

  かぎりなき思ひに焼けぬ皮衣
  袂かわきて今日こそは着め

安倍は、火鼠の皮衣を持って、かぐや姫の家へ行きました。
おじいさんが、皮衣を受け取り、かぐや姫にみせました。

すると、かぐや姫が。
「立派な皮衣ですね。でも、これが本物の火鼠の皮衣だという証拠は、何もありません」
「姫。ともかく、あのかたを、家の中へ入れてあげましょう。この世では見ることができない皮衣だといっています。姫、本物だと思いなさい。あのかたを、これ以上困らせてはいけませんよ」