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かぐや姫のことを語る

かぐや姫 41  阿倍の右大臣と火鼠の皮衣

皮衣が入っている箱を見ると、いろいろの瑠璃をとりまぜ、彩色して作ってありました。
皮衣は、紺青色でした。
毛の端は、ぴかぴか光っています。
比べる物がないほどの美しさでした。

「かぐや姫が、皮衣を欲しがるのも、無理はない。恐れ多いことだ」といって、皮衣を箱の中へしまいました。
安倍は、化粧を丁寧にして、出かける支度をしました。
かぐや姫の婿として、屋敷に泊まることになるだろうと思い、木の枝に歌をつけて持って行きました。