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細雪のことを語る


そんなら一遍僕所へ遊びに来給え、僕所はあのガードを越えた直きそこです、── と云いながら、そのマンボウの入口を指して、── 君、一本松知ってなさるやろ、僕所はあの一本松の傍やよってに、

西宮の一本松の傍に家があると云われたのが意外だったので、或る日、あのマンボウを通り抜けて、一本松の所まで行って見たら、成る程ほんとうにお宅があった。前が低い生垣になっている、赤瓦に白壁の文化住宅式の小さな二階家で、ただ「奥畑」とだけ記した表札が上っていたが、表札の木が新しかったのを見ると、極く最近に移って来られたのであろう。