春分・秋分の日にできるヘビの影がピラミッドから地上に降り立つので有名なチチェン・イツァーをはじめ、メキシコのほとんどの遺跡、博物館で、ケツァルコアトル(ククルカン)に会える。だけど、わたしがいちばん好きなのは、ハラパの人類学博物館で出会った、このレリーフ。わたしと彼との間には、ガラスのケースも近寄ると赤外線感知器の光もない。ただ、彼の前に座り込んで、中断された時間と密着した。
陽気なベラクルスっ子の学芸員は、至近距離に座り込んだヘンな外人に「さわっちゃダメだよ」と注意をうながして、それから数時間後の閉館時間に「あれが、好きなのかい?」とニッコリ尋ねてきた。
5時の閉館までずっとそのまま、今は石になった神の温度を感じながら誰にも邪魔されずに夢見ていた。石に吸い込まれるかと思うくらい幸せだった。

El mito de Quetzalcóatl. La serpiente emplumada “Creador de las cosas del Mundo”
Museo de Antropología de Xalapa
ケツァルコアトルのことを語る
